第87話

アシュトンはデクランに満足げに頷くと、グウェンドリンの方を向いた。「今日、妻を連れてくると言ったはずだ。彼女にちょっかいを出すやつがいたら、俺が相手になる」

 彼の声は低かったが、よく通った。

 部屋中の誰もが聞こえるほどに。

 その言葉はグウェンドリンだけに向けられたものではない。

 ローラン一族全体への牽制射撃だった。

 さっきまで私の陰でこそこそ囁いていた連中は、途端に黙り方を思い出したようだ。

 気まずい沈黙が数秒流れた後、パーティーは元のリズムを取り戻した。おしゃべりは最初はぎこちなかったが、徐々にまたペースを上げていく。

 アシュトンは私の手を取り、部屋の中央にある巨大なソファへと...

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